こんにちは。
ノア音楽教室の大岡史恵です。
先日、コントラバスの恩師のお別れの会に参加してきました。
恩師との想い出話は、アメーバブログの方に書いています。
さて、今のところココ(ホームページのブログ)では
子どものピアノコースに関係あることを書いているのですが、
そのつもりでお読みくださっている方にとっては、
ピアノの先生なのにコントラバス?
とお思いになるかもしれません。
そこで今日は、わたしの履歴の一部をご紹介したいと思います。
わたしの音大での専攻は「音楽学」です
(え?コントラバスはどこ⁈って感じですが、それについては後述しますね)。
音楽学とは、音楽を学問的に研究するものです。
音楽の歴史、作曲家の研究、曲の様式の分析、社会学的に、哲学的に…
様々な切り口からの「音楽の研究」が含まれます。
ピアノ専攻の人がピアニストになるとしたら
音楽学専攻の人は音楽学者になる
と言ったらいいのかもしれません。
学問する人がピアノの先生で大丈夫⁈
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
ご心配なく!です。
音楽学専攻の学生には、
作曲専攻の学生と共に、
ピアノ専攻と同じだけの時間(毎週1時間)のピアノのレッスンが4年間必修でした
(わたしたち以外の、ピアノ以外の楽器専攻生は、副科目として毎週30分、2年間だけ必修です。
なお、わたしの母校の音楽学専攻生、今は副科扱いらしいですが)。
音楽を深く知るためには、演奏できることは大切
というわけで、ピアノ演奏も重視されていました。
もちろん、そうは言っても、ピアノ専攻と同じくらいピアノを練習していたわけではありませんし、
わたしの場合は、ピアニストのように弾けるとは全く思っておりませんが、
音楽学と作曲専攻の生徒たちは、かなりの難曲を弾く人ばかりでしたね。
ピアノ専攻と違うのは、
年2回の実技試験が自由曲であったことと
作曲科の先生による書き下ろしの初見演奏(つまり超現代曲!)が課されていたこと。
おかげで、ショパンやベートーヴェンはもちろんですが、
ブラームス、リスト、ドビュッシー、ラヴェル、ラフマニノフ、スクリャービン、プロコフィエフ、メシアンなど、
様々な作曲家の曲を弾かせてもらいました
(出来はともかく、笑)。
そのことは、今となっては、
特に大人の生徒さんの持ってこられるいろ〜んな作曲家の曲をご指導するのに役立っているように思います。
また、初見の試験はとても辛かったけれど、
生徒さんにその場で何でも弾いてあげられる(完成度はともかく)のは、
このときの経験が役に立っているのかもしれません。
というわけで、わたしは
ピアニストを養成するには向いていないかもしれませんが、
一般的なピアノ指導という点では、
ご安心いただけると思っています。
むしろ、音楽学的な視点を持っていることで、
音楽を幅広く理解していただくことのタネはいろいろ持っている「かも」しれません。
そして冒頭のコントラバスについてですが、
わたしは6年間の学生時代、
副専攻としてコントラバスを習っていました。
そこで、冒頭の恩師と出会うことになったわけですが、
コントラバスが好きすぎて、
たくさん練習して
コントラバス専攻生に混じってどっぷり大学時代を過ごしました。
そのおかげで、10公演分あまりのオーケストラの授業に出させていただきました
(他の演奏者は専攻生、指揮者はもちろんプロとしてご活躍の方が
後進の指導として来てくださっていました)。
また、コントラバス専攻生と過ごす時間が長かったことで、
オーケストラの世界のことや
オーケストラ曲の理解などに触れることも多かったかと思います。
これは、ピアノだけやっていては得られなかったことだと思います。
ピアノの恩師は、パートナーがチェリストだったこともあり、
どっぷりコントラバスを向いていたわたしに
「この曲はコントラバスだったらどう弾くと思う?」
とか
「ココはコントラバスの音のようにね」
などとご指導くださったことも、
今ちゃっかり自分がレッスンしている中で使わせていただいています。
というわけで、長くなり恐縮ではありますが、
ピアノだけやってきた人ではないけれど
ほかの経験がピアノ指導にも活きていると思うので
ご安心ください
という話でした。
そうは言っても、ピアノの世界は層がとても厚いですから、
「わたしなんて下手っぴの下の下」なんだと、心から思いますが、
指導歴がそこそこ長くなった今だからこそ
やっとやっと、こんなことを書けるようになりました。